ベーコンレタスチーズバーガー

登山とそれにまつわる道具・用具を考察。特にUL。時に,Appleと車中泊も。

ハタハタという魚

はたはたのうた
                   室生犀星

         はたはたといふさかな,
         うすべにいろのはたはた,
         はたはたがとれる日は
         はたはた雲といふ雲があらはれる。
         はたはたやいてたべるのは
         北国のこどものごちそうなり。
         はたはたみれば
         母をおもふも
         冬のならひなり。

 

小学生か、中学生の時に、この詩を知りました。

実際には、ハタハタを意識して見たことがなかったので、「薄紅色」って何?「はたはた雲」ってどんなだ?「北国」っていうから東北地方だよね。焼いた魚がご馳走なんだから、お菓子なんかない、ずいぶん昔のことだよ。お母さんが焼いてくれたんだろうな…。

 

その後、ハタハタは、日本海側の海で、冬に群れをなして海岸に近づいてくると知りました。また、秋田の県魚だとも。仕事に就いて、秋田に出張に行くと、ハタハタを食べてこいなんて言われたり…。どうも、自分の中では、「薄紅色」が、夕暮れの冬の海の空を連想させるのです。

 

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それでも、まだ、この「北国」は、県魚の秋田県か、青森県か、などと思い込んでいました。

 

思い出してみると、子供の頃、家でハタハタの湯あげを何度か食べているのです。湯あげすると、ハタハタの目が白く濁って嫌なのだけれど、身は淡白でなんとも言えぬ味わい、ぶり子と呼ばれる卵はプチプチと弾ける美味しさ。それも、相当な数の湯あげ…。ハタハタは、冬になれば大量に採れる魚なのだなと…。確かに、焼いたハタハタも香ばしくて美味しかった…。

 

ところが、「ハタハタが獲れなくなった」と言われ、家庭で口にすることもなくなりました。ハタハタが遠い存在になっていきました。そして、長い年月が流れ、再び、ハタハタと再会。海釣りを通してです。