ベーコンレタスチーズバーガー

登山とそれにまつわる道具・用具を考察。特にUL。時に,Appleと車中泊も。

槍ヶ岳へ登頂。ULもどきで,足攣らず。

 

2018年 09月 29日

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どうして,ULもどきに?

ULとは,登山装備を高機能で軽いものにして,速く,安全に登るスタイル。
では,なぜULに?

 


山を登ると,足が攣るのです。これには困った。誰もいない山道で立ち往生,3点支持の岩場登りで立ち往生…。
一旦攣ってしまうと,激痛が走り,楽な姿勢と取れるとは限らず,10分以上立ったままなんてことも…。
健康状態や,栄養,準備運動不足…,様々な要因があるようですが,自分の場合は,加齢による筋肉の衰えと登山装備の重さであろうと考えました。

 

登山装備をどう変えたのか

以前のテント泊装備を詰め込んだザックの重量は17〜18Kgでした。(水・食料込み)
自分にとっては相当重いです。今時のザックはうまく重量を分散してくれるので,背負えないことはありません。
しかし,その歩みはゆっくり,そして,バランスを崩しやすくなります。また,平地を歩くのとは違い,
重力に逆らって高度を上げていく登山は,相当,足の筋肉に負担をかけるのです。

登山装備の重量を計測してあります。それを見て見ましょう。

◼️山行基本装備(3.3kg)
7Lザック…2.5kg,医療バッグ…0.6kg,ツールバッグ…0.4kg,レインスーツ上下…0.6kg,簡易アイゼン,スパッツ,グローブ…0.1kg

◼️ウェア(1.9Kg)
ウインドブレイカー…0.2kg,ソフトシェル…0.3kg,フリース…0.3kg,ダウンジャケット…0.3kg,ダウンパンツ…0.2kg,防寒帽子…0kg,防寒手袋…0kg,バラクラバ,ウールのアンダーウェア上下…0.4kg,着替え下着…0.2kg

◼️テント泊装備(3.3Kg)
テント…1.6kg,グランドシート…0.2kg,スリーピングマット…0.3kg,レジャーシート…0.1kg,シュラフ…0.7kg,シュラフカバー…0.2kg,簡易椅子…0.2kg,

◼️食事装備(0.9Kg)
コッヘル1ペア…0.2kg,調味料・マッチ…0.2kg,ストーブ器具…0.1kg,ガスカートリッジ…0.2kg,コップ…0.2kg,
◼️電気装備(1.1Kg)
ヘッドライト…0.1kg,携帯ラジオ…0.1kg,予備バッテリー…0.3kg,予備電池…0.1kg,カメラ…0.3kg,iPhone5s…0.2kg,

◼️水・食料(3Kg)
プラティバスA(2L)…2kg,プラティバスB(2L)…0kg,PETボトルA(0.5L)…0.5kg,PETボトルB(0.5L)…0.5kg,

以上の合計が,13.5kgです。これに,泊数分の食料の重量が加算されます。

UL化の鉄則は,「大口から取り組め」です。大きくて重いものが優先事項。そこで,次のものを買い換えました。
7Lザック…2.5kg → 4Lザック…0.8kg
テント…1.6kg → シングルウォール一人用テント…0.8kg
スリーピングマット…0.3kg → マット…0.16kg(嵩張らずに折りたためるタイプ)+銀マット
コップ…0.1kg → チタンカップ…0.07kg(チタンのカップは,UL化というより,単に欲しかった…)
従来装備4.5kg → 今回装備1.83kg
やった〜!! 2.67kgの減量に成功。といっても,軽さをお金で買っただけですが…。

これに食料を入れた総重量は,12.9kgでした。食料も吟味したので,従来装備と比べると,マイナス3〜4kgです。

 

UL化した装備

◼️4Lザック…0.8kg これが一番軽量化に貢献したでしょう。軽くて,どんどん物を飲み込みます。色はターキッシュブルーにしました。外回りのポケット7つです。お腹のベルトのポケットは左右とも仕切りがあり,内部で2つに分かれ,ファスナー付き。ショルダー左右にペットボトルが入るポケット,後ろは3つの(伸びる)大きいポケット。

リッジトップで,限界まで装備を飲み込みます。以前の70リットルザックと比べると格段に軽いのに,はみ出したのは,テン場で履くサンダルだけ。(スリーピングマットを外付けしていましたが,折り畳み式になったので,逆に内部に収納)すごく気に入りました。

トランポリン構造の背面ベンチレーションがあるので背中も蒸れない。アルミの骨組みが入っており形を保持できます。布地も薄いですが,しっかりとしています。

ただし,今回の重量(12.9kg)では,ショルダーパッドが肩に食い込みました。やはりパッドが軽量化のために薄いのです。もっと装備の軽量化が必要です。また,レインカバーは付いていませんので,自前で用意することが必要です。

 ◼️シングルウォール一人用テント…0.8kg 2番目に軽量化に貢献したもの。以前のテントは,定番ともいえる,モンベル ステラリッジ2人用でした。これはこれでいいテントで,ダブルウォールだし,自立型だし,テン場では周りもみんな“ステラリッジ”なので妙な安心感がある(涸沢なんかでは自分のテントに戻れなくなる恐れも)。何も不満はなかったのだけれど,軽量化という目的で探してみて,お買い得感のあるお値段,使い勝手等を考慮して,新しいテントを購入。

写真のように,ザックも含めて装備は全てテント内に収まります。前室があるのがいい。前室と本室の間,出入り口の2箇所はメッシュがあります。メッシュを活用すれば風遠しよすぎです。

本室は,胡座をかいた状態でなんとか着替えができるくらい。外から見れば,何かごそごそやっているとわかるでしょう。しかし,体を横たえれば,十分広いです。手足が全て伸ばせる上,足元には相当な余裕があります。(私175㎝)シュラフをクルクルと丸めて足元に追いやっても,全身を伸ばせます。横幅は,流石に両腕を左右に広げることはできませんが,左右に寝返りを打っても何ら支障なく,両脇には小物を並べておけます。十分広い。 

 

(ゼログラム) ZEROGRAM ZERO1 Pathfinder z100001-1
 

シングルウォールゆえの結露の問題と保温性,自立しない構造(ポール2本使用),岩場で設置できるか,この辺りが課題になるだろうなと思い,今回はその検証も兼ねていました。

結露…夜の結露あり。今回は,外ではなく,天幕の内側。夜中に目覚めて,タオルで拭きました。タオルを絞る必要があるまでにはなりませんでした。ただ,衣類やシュラフカバーが接触すると,張り付きました。

保温性…夜は寒さを感じて目が覚めたものの,風がスースー通るといったものではなく,また,地面からの冷気が伝わった結果でした。ステラリッジのようなテント内部の暖かさはないものの,外の冷気をある程度防いでいるという感触でした。

岩場での自立…登山用ポール2本をそれぞれ3本のペグで張力をかけて固定する構造です。ペグと引き綱によってテンションをかけるのではなく,テントが地面に接する6つの隅に輪がついており,直接,その輪をペグで固定するのです。そのため,ペグの使えない岩場ではオモリの石をうまく活用しなければなりません。それがうまくいくのか?引き綱6本を自前で用意して設置してみました。すると,ペグ使用ほどはテンションをかけられずピンと天幕を貼ることができなかったものの使用には差し支えない程度で設置できました。ただし,夜間の結露で天幕に水分の重さがついた時には,随分,天幕のテンションが緩んでいましたが…。

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 ◼️マット…0.16kg(嵩張らずに折りたためるタイプ)+銀マット 軽量化というよりは,ザックの外にくくりつけるのが嫌だったから。これは,折りたたんで,ザックの中へしまうことができます。FPmat100だけだと地面の冷気を拾うということだったので,100円ショップのアルミシートを併用しました。

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 マットと防寒

結局,上半身は温かいが,下半身が寒い,という中途半端な状態になってしまいました。FPmat100はその名の通り,長さ100㎝です。頭からお尻あたりまでの長さなのです。アルミシートも160㎝なので膝くらいまでです。

上…モンベルジオラインMW+モンベルスペリオメリノウールexp+ミズノブレスサーモダウンジャケット+モンベルライトシェルジャケット

下…モンベルジオラインLWタイツ+モンベルスペリオメリノウールexpタイツ+ナンガポータブルダウンパンツ

シュラフ…ナンガ センターZIPバック 350STD -3~-8度【保管用バッグ付き】 レギュラー ブラック×パープル

…で,寝たのですが,上温下寒。これは,やはり地面の冷気を拾ってしまったということかなと…。この辺り,次回のテン泊の課題となりました。


結果はいかに

とうことで,長々と述べてまいりましたが…。

足は攣りませんでした。やった。上高地→槍沢キャンプ場(泊)→槍ヶ岳→槍沢キャンプ場(泊)→上高地を2泊3日で山行しました。足が攣らなかったので,自分的には大成功。槍ヶ岳のてっぺんは気持ちいいです。あ,小槍に登っている人がいました。すごいなぁ。


これからの展望

UL化もどきをもう少し進めたい。以下を突き詰めてみたいと思っています。

①レインスーツ上下が重いかもしれない。

シュラフの嵩張り,重量,耐寒温度等を調べてみる必要がある。

③マット下半身の対策 

④クッカーとストーブも軽量化できる。

 

参考

www.yamareco.com